公益資本主義 勉強会 10月21日

資本主義をどのように再設計し、さらに発展をさせていくかについて考えるために、10月21日(水) 18:30 – 東京財団で勉強会を開催いたします。

勉強会の参考資料は、週刊ダイヤモンドの特別寄稿「公益資本主義の確立に向けて(上)」(10月10日号−10月6日発売)と「公益資本主義の確立に向けて(下)」(10月17日号−10月13日発売)です。ディスカッションを深めるために、勉強会にご出席される方に、本ページより事前質問登録・オンライン・ディスカッションへのご参加をお願いしております。

両方の記事をお読み頂いた上で、公益資本主義につきまして、400字以内にご感想・ご質問・問題提起等を下記のフォームからご投稿お願い致します。

ご多忙中恐縮ですが、勉強会の準備の関係上、コメントの投稿は10月19日(月)までによろしくお願い致します。

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25 thoughts on “公益資本主義 勉強会 10月21日

  1. 岩田拓真

    以下、問題提起・質問を記入させていただきます。
    よろしくお願いいたします。

    「有効な長期投資を行っている企業が株主から評価されるようには何をすべきか。」
    現状株主は企業の広報やROEなどの経済指標などで投資判断をしている場合が多く、それらの指標はわかりやすいだけでなく、(例えば資産の圧縮などによって)企業側が短期的に操作可能であるという性質をもつ。逆に、不確実性の高い研究開発などは、その効果を可視化しにくく、株主には判断が難しい。その対策として何ができるか。新たに、有効な長期投資を判断できるような指標を作ることはできるのか。長期投資は企業側にとってもリスクが高く効果が予想しにくいため、可視化・指標化の限界はあるのではないか。

    ・「株主の権限を法制度でより規制することは、日本への資本流入を大きく妨げないか」
    従業員などの他のステークホルダーと比較して株主が事業に対して抱えるリスクは少ないため、長期保有の株主にしか議決権を与えない、などの株主の権限を制限する制度設計は理にかなっているし、株の短期保有をくいとめる有効だと思われる。しかし、そういった制度を日本が作れば、外国の投資家から魅力がなくなり、資金が逃げ日経株価は低迷するのではないか。

    ・「株主の短期志向化の一因は、世界的な金余り現象(個人資産60兆ドルとも言われる)とはどのように関連しているか。」

    ・「公益資本主義の理論を活かしていくためには、実際の経営者としては何ができるのか。他にも、従業員・サプライヤーの立場から草の根で出来ることはあるか。」

    Reply
  2. 野宮あす美

    皆様:

    21日の勉強会で意見交換できることを楽しみにしております。
    議論させて頂きたい問題提起です。

    ・現時点の経営指標では評価できない組織力をどのように評価し、対外的に発信していくべきか

    ・長期的な視野を持ったペイシェントな株主はどのように育成することができるのか

    ・公益経営の実現に際し、経営が困難な状態の企業はどのようなプロセスで短期的利益と長期的な利益のバランスを取るべきか

    ・公益経営教育のあるべき姿とは。高い志・責任感はどのように経営者教育において育むことができるか

    Reply
  3. 竹田竜哉

    「ダイヤモンド」誌掲載の論文を拝読した感想は、下記の通りです。

    株主至上主義と市場万能主義を全て原理主義的に捉える必要は無い。原理主義者が存在し様々な問題を起こしているが、公平や公共性を原理主義的に唱えると逆方向に同じような問題を生み出さないか?原理主義的な公平性尊重は共産主義ではないのか?

    株価至上主義には抵抗を感じるが、株主至上主義は本当に間違っているのか?会社という法人を設立するのは株主であり、そこには株主の持つ目的がまず存在する。その目的を達成するのが会社の存在意義ではないのか?そのためにゴーイング・コンサーンとして存続する必要があり、そのための利益目標、従業員・顧客マネジメントではないのか?

    DCFやリアル・オプションはそれが悪いのではなく使い方が悪い。あるいは、使い方の教え方が悪い。単純化された理論しか理解していない人間が、単純な使い方をしている。一回ではなく複数回のゲームを想定したり、無形から有形への転換による価値推測などをなぜ行わないのか。

    Reply
  4. 酒井 龍太

    週刊ダイヤモンド誌での特別寄稿拝読致しました。
    以下、感想と質問点を記します。

    まず、一読しまして、私も今までの企業活動のあり方に対し疑問を感じておりましたので内容に同感しました。例えば、経済指標であるGDPは世界恐慌後(1929年頃)にこの影響を分析するために成立した経緯を鑑みると制度的な疲労を生じさせている恐れがあります。
    また、ブータンはGDH(Gross Domestic Happiness=国民総幸福度)
    を標榜しており、記載内容のような考えを持っている人は非常に多いのではないでしょうか。

    質問としては

    ①企業活動及び個人の業績の定性的な面を評価、測定し「公器としての企業」に近づける手立てとして私達、政府、企業自体ができることとして、現状、何が挙げられるのでしょうか。記事を拝読し、私の意見として、現状では企業の存続目的として「株主価値の最大限」を最重要とせず、社員のコミットメントを引出す目的(理念)や待遇を設けることだろうか、と思いました。社会の制度的な変更は大きな労力と時間が必要ですが、理論を実践することが肝要であるとの思いからの質問です。

    ②記事では詳しく言及されていなかった「自由な企業支配権市場」の概要について教えてください。

    よろしくお願い致します。

    Reply
  5. 波多野綾子

    株主至上主義・市場万能主義の限界(上・下)を非常に興味深く拝読させていただいきました。
    公益資本主義につきまして、簡単ではありますが、感想とご質問をのべさせていただきます。

    ・株主市場主義そのものが悪いというより、株主を短期的・経済的利益を求める存在ととらえる考え方が支配的であり、そのアンチ・テーゼとして、SRI(そしてCSR)といった考え方が導入されましたが、以後日本では結局あまり盛り上がらず、最近景気の低迷も伴い下火?になっているようであるが、現在NPO(パブリック・リソース・センター)でSRI基準に結びつく企業のCSR基準の作成をしていることもあり、CSRもしくはSRIの基準がどのように企業の公益性を明らかにし、また責任ある投資家と経営者をつなぐのに役立つのか、あるいは役立たないのかといった点を参加者の方々と議論できればと考えております。
    ・ユヌス氏は「すべての人間には利己的な面と、無私で献身的な面がある。私たちは利己的な部分だけに基づいて、ビジネスの世界を作った。無私の部分も市場に持ち込めば、資本主義は完成する。私はそれを<ソーシャル・ビジネス>と呼ぶ」として、配当を行わない企業というラディカルなアイデアを述べていますが、この考え方はと公益資本主義の確立との関係はどのようなものなのでしょうか?

    Reply
  6. 田中 翼

    週刊「ダイヤモンド」誌掲載の論文拝読させていただきました。
    感想:
    現在運用会社で働いていますが、特別寄稿(上)の中にある投信及びFMが株主の短期志向を強めているということを日々痛感しております。その一員として、マネーゲームを助長していることに対し、違和感を感じています。一方、強欲な株主として揶揄される業界ですが、少しずつ公益を意識する方向に変わっているのも感じます。例えば、個人的に原丈人氏の著作を同僚や上司にすすめていますが、その主張に対し、強く共感するものが多いなどが挙げられます。(今回の金融危機や、鳩山政権の友愛の影響なども大きいかもしれません。)
    問題定義:
    ・そこで、公益資本主義をもっと広めるために企業や団体に対し、公益資本主義の説明する講師の派遣などを行うことは出来ないでしょうか。
    ・鳩山政権の訴える「友愛」にも共通するところがあるように思えますが、どう関わっていくのでしょうか。

    Reply
  7. 佐藤 貴士

    共益資本主義の発想は、研究開発型企業にしか当てはまらず、一般的な小売、商社、流通、金融保険、等といったコモディティ的産業構造の企業においては理想論となってしまう点です。コモディティ的産業構造の企業の競争の源泉は第一に「規模」(規模による交渉力)であるため、共益資本主義で唱えるステークホルダー間で創造的価値の最大値を求める行為は成立しないと考えます。
    しかし研究開発型企業では、企業の競争の源泉は第一に知的所有権や信頼関係等の「無形資産」であるため、共益資本主義が成立します。

    ですので企業のタイプを分け、研究開発型企業のための財務諸表を立案、そしてその株式市場を創立するしかないでしょうか。
    流動性を担保しつつも長期保有を念頭に置いた運用を前提とし、現在機関投資家の資金源である年金資金やSWFに訴えかけてこの市場に参加して頂く様にすれば、今日の無秩序な金融界もだいぶ落ち着くと思います。

    Reply
  8. 大岡 修

    週間ダイヤモンドも特別寄稿(上・下)を興味深く拝読させて頂きました。
    下記に簡単なコメントを記載させて頂きます。

    ■感想
    現在、「日本の新しい技術」を世の中に発信していくベンチャー企業で働く中で、「消費者」の購買意思決定基準の中に「社会還元性」が含まれて来ていることを日々実感しております。公益資本主義の確立に向けて、社会を構成している個人=「消費者」に対して、メディアを正しく活用し、基本的理解のボトムアップと様々な事例紹介が「幅広い一般消費者層」へ対してなされていくことで、「社会」が公益資本主義の確立を下支えしていくことが大切なステップであるように感じました。

    Reply
  9. 内海 宙大

    週刊ダイヤモンド読みまして

    私は、公益資本主義の呼びかけ2008年に出る前、この命題の本質的な部分をすでに考えていました。
    それが今から9年前です。2000年です。

    地方自治体の財政破綻を救うために、コミューン(行政企業体)という新しいシステムを考えました。
    それは、まさに、今日、公益資本主義が目指すところの「営利企業でありなおかつ公益に貢献する企業体」というものでした。
    最後にそのときの論文で述べた一節を載せておきます。

    ところでE.Fシューマッハーが1980年代に指摘した「資本の所有形態のあり方」が今回のテーマにもなるかと存じます。

    投稿者の方にもありましたが、確かに、自由な資本主義経済の中において、そもそも、資本家がどんなに悪いことをしようと、その資本家により成立する企業が悪いことをしようと、「自由な」のであります。

    しかし、投稿者さまの間違いは「自由な」というのはそもそも、法律にないから何をしてもいいということではなく、高い道徳意識が根底にあるプラトンの言うところの「市民」によて行われるものだというのが暗黙の約束としてあることをわれわれは忘れていないでしょうか?

    これこそが、この問題の本質なのであります。

    しかし、「市民」を忘れた「自由な」・・・・・・その行き過ぎが近年のCSR運動を引き起こし、今回のリーマンショックに見られる「投機」「株ころがし」「投資銀行経営者や行員の莫大な給料」への批判となり、全世界の60億人の人口中、30億人が貧困にあえぐ2009年の社会ではもはや「共通的な悪」として認識されております。

    ブルーナーさん、イーサンさん、野々宮さんら頭脳明晰な方が結集すれば
    「スキーム」は確かにできると思います。期待しますし、私も考えを提供したいと思います。

    ですが、もしです。山口組のような巨大な金融マフィアが世界にはいくつかありますが、それらがそのスキームを利用して巨大な悪を莫大なマネー資本を導入して公益のもとに行うことになった場合、レイセオンのような巨大軍事企業がアフガンでハイパーウェポンで多くの市民を殺傷しその利益をスキームにある公益事業に「分配」するということが行われる未来になった場合、少なくともアメリカ国防総省は「レイセオンの兵器による途上国国民の殺傷はアメリカ国民にとっての公益である」と誇り高々に演説するのではないかと危惧しているのであります。

    その予測される危険をどうやって封じるのかも考えたいと思います。

    (以下「コミューン Ver1.00」より抜粋)
     私は当初、新しい自治体モデルを既存の協同組合の改良に置こうとした。だが、協同組合の発展しただけの社会主義的な世界ではやはり行き詰まるのである。それは生協や共済組合の事業が近年停滞気味な事からも伺える。「組合」とつくもののほとんどがうまくいかなくなっている。私は資本主義の要素もきちんと持ち、かつ社会主義のような利益分配要素もあり、もっと自由でアクティブな「生き物」のような自治体が国を横断的に活動する自由経済社会が望ましいという結論に到達した。企業のダイナミズムを失わずに、利益追求の企業が切り捨てるはずの福祉を失わなければ、地方自治システムはより違った次元で構築できる。
     さらに、これを単に日本に留まるものとせず、世界の多くの国に「システム」として供給できないかと思うようになった。「システム」というひとつの科学要素にしてしまえば、たいていの国でも使えるし、宗教も政治イデオロギーも抜きにして乗り越えて人類の平和と福祉を追求していける。
    「スモール=イズ=ビューティフル」でシューマッハーが常に唱えているように、発展途上国の問題の解決は先進諸国の技術移転だけではできない。人間も文化も経済も段階を追った成長がプログラムされなければならないのであり、高度文明の途上国への急激な投下は人心を荒廃させ、単なる文明の自殺を引き起こすだけなのだ。
     さらにガンジーやシューマッハーも考えていた「資本主義社会下での完全雇用」という命題も一方で解決できるものでなければならない。
     私の生きている時代は資本主義と社会主義の争いの歴史の最終局面であった。だが、社会主義者らにとっての理想のはずの社会主義の国家は次々と経済的、政治的に失敗し、なんと崩壊してしまった。いっぽうで、長年の社会主義運動者の資本主義への攻撃は資本主義の運営者に対してその方向性をいやおうなく「考えさせる」ことになり、資本主義国家は搾取対象の人民の利益もある程度は考える責任を自覚するようになった。
    資本主義の矛盾が社会主義を生み出しその社会主義も結局のところ挫折したのは小島先生が主張される「ヒューマノミックス」として経済をとらえずにいたからである。経済は法則や計算式だけでは成り立たない。だが、成り立って、それを政策に投下していれば問題は解決する「だろう」というのがこれまでの資本主義・社会主義ともに政府の経済政策を行っている学者や官僚の考えであろう。
    だが、本来、経済活動自体、人間が「いて」、人間が「行わない限り意味がない」ものである。そもそも、人間の経済活動を総合的にとらえることが非常に難解で困難であったからこそ経済学は人間的な要素をいったん蚊帳の外に置いて純粋な数量で把握できる経済変化を分析しモデル化しようとしてきたのだろう。しかし、そこで得られた結果は常に本来の命題に戻らなければならなかったはずである。それは「人間」であり、その人間が追い求めるところの「幸福」である。
    (以上)

    Reply
  10. 藤崎 智希

    週間ダイヤモンド特別寄稿(上・下)を興味深く拝読致しました。
    稚拙ながら以下にコメントさせて頂きます。

    ・取引先との協力関係の構築と従業員のコミットメントの啓発について
    日本の製造業、中でもとりわけ自動車産業は、上記のテーマに対して非常に大きな示唆を与えてきたように思います。
    たとえば以下の点です。
    ①日本の完成車メーカーが熟練インストラクターを下請け企業に派遣し、コスト低減とプロセスイノベーションを同時にもたらしてきたことは、取引先との協力関係の構築を唱える公益資本主義の世界において、企業の一つの在り方として検討に値すると思います。
    ②トヨタ生産方式では、「現状に常に問題提起し続けること」を、ある種の「哲学・思想」として従業員に浸透させることで、従業員の仕事へのコミットメントを高める仕組みを作り出しています。制度、仕組みだけでなく、「わかりやすい形にブレイクダウンされた哲学」も公益資本主義を実現させるための一つの手段であるのかもしれません(一企業体レベルではありますが)。

    ・企業のイノベーションを促進させるツールとしての金融の在り方
    企業のイノベーション(製品イノベーション、プロセスイノベーション等)が公益に寄与するとの前提に立てば、イノベーションを促進する仕組みが公益資本主義においては重要となりますが、その一つの形として「イノベーションを評価することで企業の資金調達を優遇する仕組み」が有効ではないかと考えています。
    環境金融の分野では環境格付融資として定着している手法ですが、それを「産業毎のイノベーションを評価する形」で応用したものをイメージしています。
    日本はイノベーション(プロセスイノベーションに偏ってはいますが)を生み出す人が多くいる一方、それを評価できる人は少ないのが現状です。評価する仕組みを作ることで、評価する人が育てられ、イノベーションの形式知化を促進することもできます。

    Reply
  11. 鈴木 諒子

    先日のワールドアライアンスフォーラムも大変勉強になりました。以下週刊「ダイヤモンド」誌論文の感想を記載いたします。

    数年前から日本企業ではCSRとして、自社の利益や株主へ配当だけでなく、社会に対しても積極的に責任を果たしていこうという姿勢が見られます。その動きは公益資本主義の原動力になるのでは個人的に期待しているものの、現状CSRという名の寄付金による宣伝活動や形だけのCSRレポートといった内容で終わってしまうことも少なくありません。企業内のCSR部は各営業部と切り離されており、昨今の金融危機の影響で社内から経費の無駄遣いとまで思われて、肩身を狭くされているご担当者も多くいらっしゃると感じています。その背景にはやはり論文でも指摘されていた短期的な利益追求や株主主体の利益配分が根強くあるからだと考えます。今回の勉強会では是非CSRと公益資本主義の関係性やCSRをどのようにしたら公益および自社の利益と結び付けられるかという点も議論できたらと存じます。よろしくお願い申し上げます。

    Reply
  12. 廣瀬裕子

    以下、問題提起として2点上げさせていただきます。
    当日、大変楽しみにしております。

    1. 金銭的に評価できないものをどのように評価し、行動を促すか。

    株価のように何かしら「見える化」し、求められる水準やexamplesをイデオロギーだけでなく、具体的に示すことで企業の行動を促す必要があると思います。これによって企業間での比較が出来、よりよく社会をserveするための競争も促進されるのではないでしょうか。具体的に、フランスが提唱するような「幸福度」指標のアイディアをどう捉えるか。

    2. 「公平性」をどう実践するか。

    こちらも何らかの評価方法がなければ、具体的な行動を促すことは難しいという想いから皆様と一緒に考えていけたらと思っております。

    Reply
  13. 田野邊 樹

    1、公益資本主義における企業の経営者の定義とは何か。

     ストックオプションを以外でも、株主の利益、もしくは企業の業績の変化を優先せざるを得ない「雇われの身」の経営者なりの理由が多くあると思います。今日のように企業が大きくなるにつれ、同族経営から「雇われの身」になってきた中で、株主の利益を最優先としない公益資本主義の考え方を定着させるには、株主と企業経営を結ぶルールの変革が必須であると思うのですが、そこでは、経営者としての在任期間と責務を持つ「雇われの身」の経営者はどう定義づけられるのでしょうか。

    2、公益資本主義ではどこまで人間の「富を求め続けること」を抑えられるのか。

    今日までの自由主義的な経済社会においては、各人が各人の持っている能力によって有効に働き、社会全体が豊かになるという考え方に導かれてきました。そして、このような競争の中で、強い者を選び出し、その才能を伸ばし、またその永続化を保障してきました。また、この経済システムが、企業だけでなく、個々人の価値観までも変え、より富めることを目指す動機となっていたと思います。今や従業員も含め個々人の、より富めることへの執着は既に定着しています。しかし、法規制では到底網羅することのできない、インフォーマルな部分を代表する倫理の問題です。公益資本主義の考え方を推進していく中で、企業経営のあり方がこの個々人の倫理のどこまで影響を与えることができるのでしょうか。企業から社会へと新しい公益資本主義の考えの流れを移していく中で、ひとつの課題になる部分であるように感じました。

    Reply
  14. 韓 涵

    以下、勉強会のの見学をさせて頂く際に常に考えておきたい問題です。

    -公益資本主義の実現・導入方

    現在の資本主義経済の問題点と公益資本主義の確立上の難点を踏まえた上で、どのように公益資本主義の基盤を築き上げるのでしょうか。その基盤を敷くのに必要な条件は何か。主なプレーヤーとして、企業、政府、国民がどのような利害関係、権力関係に立った時に、公益資本主義が実現しうるのか。

    Reply
  15. K U

    週刊ダイヤモンドの特別寄稿、大変興味深く拝読致しました。
    以下、問題提起させて頂きます。

     市場が不完全なために社会的な総余剰が毀損される場合、解決策としては大きく①政府による規制と、②市場のプレーヤーによる自己修正の2つがあるかと思いますが、「公益資本主義」の考え方は、市場のプレーヤー(中でも情報の非対称性において優位にある経営者及び一部株主)が、社会的余剰を自己の利得に優先して行動するという形で後者に該当するかと思います。
     また、既存の経済学においても、特定の条件(繰り返しゲーム、大きなレント、長期的契約関係等)の基では、プレーヤーが相互に協調的な戦略を選択し、(本稿でいうところの)プラスサムが均衡となることは、既に指摘されていることかと思います。
     しかし、それによって増加した社会的余剰がプレーヤーに還元されることが合理的に予測できない場合、何がインセンティブとなってプレーヤーが公益資本主義的に行動するのでしょうか?換言すると、現状日本においては市場よりも政府の失敗によって社会的余剰が市場に還元されないことで、公益資本主義的な考え方を普及することが非常に難しい側面があると考えます。

    Reply
  16. 春日謙一

    公益資本主義の目指す社会は、かつて銀行の新人研修で受けた、会社の公共性・中立性・事業性の意義とノブレス・オブリージュの大切さの訓話と重なるとも思えました。当時研究開発型企業だけでなく金融業にも、敗戦後無から有を生む必要性から自ずと根付いた「価値創出型経営」の志が感じられ、含み益がリスク吸収力をもたらしその価値観を裏打ちしていました。

    公益資本主義実現には、投機・敵対的買収・過度なストックオプションといった資本市場の肥大化に伴う副作用への対処だけでなく、リスク許容力のある経営資本を供給する主体が必要です。しかし国家の場合納税者への説明と公益性の認定基準の必要から制約が大きいため、民の力が理念の具現化に必要と思います。それを主導できるのは、志ある富裕層、非上場企業、理念に共鳴した投資家等が考えられますが、他に株主至上主義市場万能主義に対抗できる資本の源泉は考えられますか?

    「議決権行使を長期保有株主に限る制度」は、戦略的に長期保有ができる株主市場主義者が支配力を高める副作用が心配です。他の利害関係者の対抗手段が必要ではないでしょうか?

    Reply
  17. 小池 由理

    簡単にではありますが、記入させていただきます。

    -現在のデファクトである企業の評価基軸を、実際に公益資本主義にマッチしたものに移行するには現実的にどのような方法をとる必要があるだろうか.
    またその評価基軸とはどのようなものが考えられるか

    -開かれた市場の中で、公益資本主義を取り入れる企業をどのように保護、応援できるのか。例えば、地産地消といったような、永続的で小さなコミュニティであることの意味、もしくは信頼を優先することで成立する優位性をいかに取り入れるか。

    -オープンソース、マスコラボレーションなどとの親和性

    Reply
  18. 岩田崇

    プラスサムゲームを実現する仕組みの実現について

    私からの問題提起は、公益資本主義に基づく経済活動を
    どのように実現してゆくか?です。
    プラスサムゲームの実現が中長期の利益、ひいては私たちの
    社会の発展をもたらすことは、多くの方の理解を得られると予想
    しますが、短期的な収益に対して、競争の土俵を変える形になる
    としても、「こっちのほうが良いね。」と実感できる仕組みをつくる
    必要があると思います。実践を通じて理論を実証し、改良
    することを提案します。
    たとえば、ケチャップで有名なカゴメは、エンドユーザーに株主
    となることを推奨し、安定した支持基盤と顧客との信頼関係の
    構築を行っています。こうした取り組みを集めたファンドを設立
    したり、企業に顧客とのプラスサムゲームを実現するプロセスを
    サポートするコンサルテーションサービスを開発することを行え
    ないかと考えています。
    勉強会では、皆さまと理論と実践を並行し考える機会を
    得られれば幸いです。

    Reply
  19. 川崎哲史

    ①非貨幣価値の可視化技術
    (信用力低減にまで至る工夫をどうするのか)
    ②顔の見える信頼関係の活用
    (コミュニティレベルでは可能だが、マクロな取組への展開可能性)
    ③知的資産経営のインセンティヴ
    (金融機関で言えば「審査力」「関係構築力」「人的資産」等による差別化戦略の
    実現可能性)
    ④志ある投資、patient capitalの実現
    (長期的な視点と短期的な視点のバランス構築)
    ⑤地域内資金循環の実現
    (②の派生)
    ⑥公的広告効果の活用
    (公共はカネを出すだけではない)

    Reply
  20. 小笹俊一

    基本的な論理の流れに無理はないと思いました。上巻の最後の部分
    「良好な人間関係の低下」はちょっと強引かと思いましたが、
    元資料を見れば納得できるでしょう。あればいいなと思うのは、
    なぜ60-70年代に株主への利益シフトが起こるのかということです。
    シカゴ学派がなぜ台頭するのか?ローマクラブ成長の限界、金本位制廃止、オイルショッ
    ク、ドラッガーの「見えざる革命」刊行など、                   
    この時代に起きた色々な事象とどう作用して株主資本主義、市場原理主義の強化に
    結びついていくのかさらに伺ってみたい気がしました。

    Reply
  21. 文乙珵

    人類は歴史上、奴隷制度社会、君主主義社会、封建制度社会、共産主義社会を経ち人権を確保し
    みんなが平等に幸せに暮らすために進化してきたと思う。現在アメリカが主導する資本主義は
    最近環境汚染問題・金融危機など様々な問題が起こっている。資本主義に違和感を感じ、その次
    なる主義は何か考えていて公益資本主義を知り共感を持った。ただ、株主至上主義からの弊害に
    ついて公益資本主義が改善できるところを今回の特別寄稿にて考察できたが、地球温暖化といっ
    たもう一つの弊害については公益を追求すればなんとなく解決できそうには思えるが具体的に考
    えてみたいと思った。また、ゼロサムゲームよりお互い協力しプラスサムに生まれ変わるために
    はお互い信頼を持って協力するしかない。単純な理論であるが、経済学でいう囚人のジレンマと
    いった相手を信頼することが最善だとわかりながらもそうはできない今の状況をどう克服できる
    のか、「何もしなければゼロサムに陥る」が、実際「何」をすればいいのか悩む。

    Reply
  22. 広瀬大地

    ダイヤモンドの寄稿、興味深く読ませていただきました。
    企業は誰のものか?という議論で「株主」「従業員」「顧客」という3つの主体が出てきますが、公益資本主義の機構では株主や従業員については語られていますが、顧客についてあまり語られていない印象を受けました。

    最近出版されたユニクロの柳井さんの本で、柳井さんは「企業の存在意義は、株主のためでも、従業員のためでもない、顧客のためである」と仰っていました。一企業人の立場でいえば、公益資本主義で論じられる議論よりも、柳井さんの考え方のほうが共感を覚えます。ただ、最近の社会貢献意識の高まりを見ていると、顧客自身が購買行動を少しずつ変え始めており、私的利益だけではなく公益性を求めるようになっているように思えます。

    今後の公益資本主義の議論を発展させるために、顧客視点から見た資本主義のありかた、企業の在り方を議論したいと思っています。

    Reply
  23. 山口敦之

    いつもお世話になっております。
    エントリーが遅くなり申し訳ありませんが、是非21日参加させてください。

    コーポレートファイナンス理論やROE至上主義的な株主の考え方には、以前から釈然としていない思いを持っていました。

    実際に新任役員の8割が公益資本主義に共感するとのアンケート結果もあり、日本的経営としては「腹にすわる」考え方と思います。
    こういった考え方が資本市場でも市民権を得て、株主にも受け入れられるようになればと考えます。その意味で、経営への規律となる「改良改善性」「持続可能性」「公平性」の指標化は重要と思います。

    一方、企業側が公益資本主義の考え方を受け入れる場合の不安としては、モノ言う外国人投資家からの指摘への対応、株価の下落リスクにあると思います。今後IFRSが導入され、株式の持合解消がますます進展する方向の中、株主に対するポリシーの打ち出し方、あるいはどういった株主を志向するか、資本政策全般にもかかわってくると思います。

    引き続き、公益資本主義を勉強させて頂ければと存じます。

    Reply
  24. 加藤徳史

    記事の中で様々な例が挙げられていますが、現在の資本主義における問題、特にShort-Termismに対する議論は多くなされてきています。(例えばCFAや最近ではAspen Instituteがステートメントを発表しています。)その中で以下のような提案がされています。

    CFA: (Report: Breaking the Short-Term Cycle July 2006)
    • Reform earnings guidance practices
    • Develop long-term incentives across the board
    • Demonstrate leadership in shifting to focus on long-term value creation
    • Improve communications and transparency
    • Promote broad education of all market participants about the benefits of longterm thinking.

    Aspen Institute: (Overcoming Short-termism: A Call for a More Responsible Approach to Investment and Business Management, Sep 2009)
    1. Market Incentives: encourage more patient capital
    2. Fiduciary Duty: better align interests of financial intermediaries and their investors
    3. Transparency: strengthen investor disclosures

    問題は、市場参加者はこれらについてある程度の問題意識はあるが、実務レベルまで落とし込むことはできす具現化されていないことだと思います。これをどのように具体的で実行可能なステップで進めていけるのか議論できればと思います。記事の中でも取り上げられていた以下の二点はその一歩となると思います。

    ・定量化でき理解しやすい指標や規制
    ・市場参加者の教育

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  25. 若月玲子

    株主至上、市場万能主義の限界に異論はないが、企業利益と公益をバランスさせるために現行制度を再設計することについては、望ましいとは思うがやや意見を異にする。公式な制度変更は、現行制度や企業活動に対する観点が各市場、地域により異なるためかえって制限のない市場に企業活動が集中することが考えられる。また非公式な制度変更は時間をかけて行うことになるのだろう。むしろ、新しいルールの市場の創設、ムハメド・ユヌスらが提唱する社会公益事業のための市場の創設を考えたい。投資尺度は貧困の削減、雇用の創出、環境負荷の軽減・等への貢献度が考えられ、保有期間の長い投資を主とする。今でも、金銭的リターンではなく、資金を集める企業(団体)の理念に共感した投資家がファンドに応募する例がある。インターネットによる応募も可能となり広い投資家から、より低いコストで資金を集める仕組みもできてきている。これらを利用して、社会貢献に重きをおく事業(企業)と投資家を結び付けることができれば、新たな市場の創設につながらないだろうか。

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