公益資本主義のメーリングリストから 公益経営の教育の必要性

2009年 4月 17日

公益資本主義研究プロジェクトのメーリングリストではプロジェクトの進捗状況を報告したり公益資本主義について参考になるリソースを紹介したりしている。今回は研究員の野宮あす美氏は「公益経営の必要性」について下記のように書いている。

 企業経営者の教育を担っている多くの欧米型のビジネススクールはその目的において大きな変化をし、短期志向の経営を引き起こす一因となっています。ハーバード・ビジネス・スクールのラケシュ・クラナ教授によると、もともとビジネススクールは1900年頃に実務家の道徳的なリーダーシップと倫理観の育成を目的とした職業教育としてはじまりました。しかし、今では教育内容が大きく変化し、株主価値を向上させるための経営方式を教える場となっています。その一つのきっかけとなったのが、1989年代に設立されたシカゴビジネススクールです。教育課程の中で「企業の存続目的が株主価値の向上である」としました。さらに、多くのビジネススクールの金融の授業から金融工学の分野が派生し、株主価値を高めるための経営方式なども発明されるようになりました。授業では株主価値をあげるための様々な経営手法が教えられ、例えば借金をして節税をすることが株主価値をあげるために良いなどと教えられるようになりました。ファイナンスの授業では社会における個人は自己の利益追求、企業は自己の株主価値の向上のためだけにしか行動しないと教えることも多いのが現状です。このような教育を受けた経営者は株主価値向上を最優先する株主至上主義的な経営を実施します。

クラナ教授は経営者にプロフェッショナル・スタンダードを持たせるべきだという非常に面白い提案をしている。経営者はお医者や弁護士と同じように社会に重要な役割を任せられているので、その役割に見合う価値観も必要である。

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