昨日、公益資本主義を批判しているブロッガーのコメントを取り上げましたが、実は多くのブロッガーは公益資本主義を取り上げて、建設的なコメントを書いて下さっています。いくつかご紹介したいと思います。
このコメントが正しいとは限りませんが、今の段階では市民が一緒に「公益とは何か?」や「公益と資本主義との関係はなにか?」などの質問について真剣に話し合うことではないでしょうか。ぜひ、これから有意義で活発なディスカッションをしましょう。
団塊世代Aの暇つぶしブログさんから
公益資本主義とは、極めて普通の資本主義的考え方であると思う。
18世紀イギリスの近代経済学の祖とも言われるアダムスミスが、主著の「諸国民の富」という本の中で使った市場経済における「神の見えざる手」、これこそが資本主義の根本の考え方であるが、アダムスミスはこの「見えざる手」が機能する前提として、市場に参加する個々の人々が、自分の利益を最大化するために最も合理的な行動をとることを前提としていた。アダムスミスは、一方では、道徳哲学者であり、「道徳感情論」という著作もあり、個々人の行動の前提として、道徳、つまり、相手を思いやる同情の感情があって始めて市場が成り立つと考えていたようです。(参考ブログ:アダムスミス) かのアダムスミスでさえも、グローバル市場原理主義的な考え方ではなかったのである。…
いずれにしても、最近の株主至上主義的な資本主義が、大いに間違った考え方であることが、ここ直近の経済危機の中でようやく認知されて来たことは大いに歓迎すべきである。その意味で、この公益資本主義の考え方は、言わば、従来の日本的な経営理念を体現した考え方ではないかと思う。まだまだ、理論的に確立された、具体的なものではないのかも知れない。また、この資本主義の形態を実現するための社会的制度や法人税や株式関係の税制と言った政策面での検討が必要であろう。
役員サロンさんから
経営のあり方について、我社の歴史を見るとき、「企業は人なり」、「企業は公器なり」ということが根底に流れている。社員を最重要資源として育成し、その力を存分に発揮してもらうことが「企業は人なり」であり、事業を進めるに当たり、その仕事を通じて社会に貢献するという仕事への取り組み方(心がまえ)こそが、「企業は公器なり」という考え方なのである。
辻井の目線さんから
この考え方は、決して原氏の独創ではなく古くからこれを唱える学者などは大勢いたのだが、今、氏の主張はまさに時を得ているし、原氏の場合、何よりも行動を伴っているのが素晴らしい。…
利益至上の資本の原理は結局どこかで行き詰まることが、今次々に証明されようとしている。…
全ての市場のプレーヤーに、社会を思う「公益」の自覚がなくては共倒れが待っている。
NightWalker’s Investment Blogさん
公益資本主義の5つのポイント
- 会社は株主のもの → 従業員、取引先、経営陣、株主のバランスが重要
- 経営陣のストックオプション → 株価を気にして短期志向になるので排除すべき
- 高すぎるCEOの給与 → 一般従業員の300倍以上は極端。公平な利益分配を。
- 投資ファンドの放任 → 短期利益を追求し、企業活動を妨害するファンドを規制
- 内部留保より配当重視 → 長期的な研究開発への投資を優先し、剰余分を配当に
要は今の資本主義は、短期利益ばかりを追求する結果になりがちで、企業は長期投資しずらくなっている、というわけなんです。
ガレリア・レイノ社長ブログさんから
当社のクレドも、「職業を通して、社会に貢献していくことが私たちの使命です。」というもので
すので、この人の主張する、「公益資本主義」の経営へという考え方には共感を持ちました。