日本企業がグーグルから学べること

2010年 8月 5日

日本的な経営を深く尊敬していますが、日本企業はイノベーション能力が足りないことも事実だと思います。そうじゃなければ日本経済が20年も停滞することはなかったでしょう。そこでグーグルから学べることがあるかも知れません。失敗を称賛ことです。

グーグルは去年発表した次世代コラボレーション・サービスの「Wave」の開発を中止にし、失敗だと認めました。これについて社長のエリック・シュミット(Eric Schmidt)は下記のように話していました。

We try things … we celebrate our failures. This is a company where it’s absolutely okay to try something that’s very hard, have it not be successful, and take the learning from that. (TechCrunch)

小生なりに日本語に訳しますとこういうことです。

我々は試してみるんです。我々は失敗を称賛します。この会社では、とても難しいことを試して、成功せずに終わって、そしてそこからの学びを得ることが全く大丈夫なんです。

日本企業で「we celebrate our failures」と言える会社はほとんどないでしょう。日本の伝統的な経営はむしろ失敗に対して極めて厳しいと思います。通常の業務を効率よくこなすことにおいてはよいのかも知れませんが、イノベーションを壊してしまいます。

公益資本主義の参考資料をアップロードしました

2010年 7月 30日

東京財団の研究報告書、週刊ダイヤモンドの記事、東京大学のホームページに載せたコラム「資本主義を進化させよう」などはこちらからアクセスできます。他にも参考になる本や記事へのリンクも載せています。

JAGAT大会2010での講演

2010年 6月 16日

昨日、JAGAT(日本印刷技術協会)の大会で公益資本主義とプラス・サム・ビジネスについて講演をしました。講演のタイトルは「21世紀の資本主義社会に向けて ゼロ・サム・ゲームからの脱皮」でした。

公益資本主義の研究報告書

2010年 2月 16日

公益資本主義研究の報告書が東京財団のホームページに載りました。アメリカ流の資本主義の問題点を分析し、新しい「公益資本主義」の必要性を説明しています。

※ 報告書の図表がおかしくなっているようです。報告書の改訂版が出来るまで、イメージをここに載せておきます。

アベグレン奨学基金研究員の選任

2010年 1月 17日

本日、小生の恩師だったジェームズ・アベグレン先生を記念する「ア ベグレン奨学基金」の研究員の第1号として選ばれたことが分かりました。アベグレン先生と不思議なご縁がありました。まず大学時代に上智大学へ見学に行った時に、たまたまアベグレン先生の講演でした。そして卒業後にアベグレン先生が立ち上げたボストン・コンサルティング・グループの東京オフィスに入社することになり、会社のイベントの関係でまたお目にかかりました。博士研究を始めてから東京を訪れる度にご相談に伺うようになりました。

アベグレン先生は第二次世界大戦が終わった直後から日本の経済と企業経営を研究され、「日本の経営」、「カイシャ」、「新・日本の経営」などの著書を出されました。ハーバード・ビジネス・スクールで勉強しながら英米流の株主至上主義に対して疑問を抱くようになった小生には、アベグレン先生の思想が非常に参考になりました。企業はお金を作る機械ではなく、長期的な発展を心掛けるコミュニティーであるというアベグレン先生のご指摘は、アメリカのビジネス・スクールでは見落とされている視点です。そして、アベグレン先生との会話は公益資本主義の研究を始めたきっかけの一つにもなりました。

従って、21世紀の資本主義のあるべき姿について研究をこれから進める経緯において、アベグレン奨学基金の後援を賜ることは誠に幸甚です。

資本主義を進化させよう

2010年 1月 6日

公益資本主義についてのコラムが東京大学政策ビジョン研究センター(PARI)のホームページに載りました。21世紀のナレッジ・エコノミーに相応しい経済制度を作るための提言を書いてみました。

資本主義の根底にある概念は正に美しい。つまり個人がそれぞれ自分の才能を自由に活かし自分の目的に向かって努力していけば、社会全体において限られた資源の有効な活用が期待できるということだ。しかしそれぞれの個人の活動を調整する見えざる手の力には限界がある。特に先進国の複雑な経済制度においては見えざる手が逆に非効率と不公平な格差を生んでしまっている。PARIのホームページで続きを読む

東京大学での講演

2009年 12月 8日

10月に東京大学の政策ビジョン研究センターで公益資本主義について講演をしました。

金融取引税で投機を抑えよう

2009年 11月 28日

投機は価値を取り合う、非生産的な活動です。そして市場の動きが激しくなればなるほど投機家が儲かります。その儲けに惹かれて、投機家が増えます。投機家が増えると当然なことに短期的な売買も増えて、結果的に市場の動きがさらに激しくなります。この悪循環で投機活動が膨らんで、生産的な経済活動に使えたはずの資源が投機に費やされてしって、経済成長が妨げられます。健全な経済を維持するために投機を抑える必要がありますが、これはどのように出来るでしょうか。

一つの答えはトービン・タックス(Tobin Tax)という金融取引税です。ポール・クルーグマン(Paul Krugman)は先週のニュー・ヨーク・タイムズで提案しています。以下、「投機家を課税する」(Taxing the Speculators)という記事の要点をまとめます。

  • 金融取引税はイギリスを含む欧州の国々が賛成しているものの、ティモシー・ガイトナー(Timothy Geithner)を始めとするアメリカの官僚は強く反対している
  • トービン・タックスという金融取引税のアイディアは、経済学のノーベル賞を受賞したイェール大学ジェームズ・トービン(James Tobin)教授に1972年に提案された
  • 為替にトービン・タックスをかければ、長期投資や実物取引を目的にしている場合には負担が極めて小さいが、日々無数の取引を繰り返している投機家にとっては大きなコストになる
  • 為替の取引に限らず全ての金融商品にトービン・タックスをかけると、ウォール街やシティ・オブ・ロンドンで行われている非生産的な金融活動を抑制しつつ、政府の収入源になる
  • この提案に反対している者は実行が難しいと言うが、実際には金融取引が集中しており、比較的に実行しやすいはずだ
  • 短期的な投機マネーの動きが金融危機の一因だったので、トービン・タックスは将来の危機の予防にもつながる
  • オバマ政権はウォール街の影響を受け過ぎている

クルーグマンのロジックに完全に賛成です。トービン・タックスは非生産的な投機を抑えることによって市場の動きを鎮め、長期投資をしやすくします。しかも収入源になります。

アメリカは投機家を代表するヘッジ・ファンド・マネージャーが1000億円を超える個人報酬を受ける投機王国ですから、ウォール街の言いなりになっているオバマ政権が導入しないでしょう。そこで日本は世界をリードして導入したらよいのではないでしょうか。欧州もフォローするでしょう。

トービン・タックスの詳しい分析はセンター・フォア・エコノミック・アンド・ポリシー・リサーチ(CEPR)の白書をご参考下さい。

バルコニーボックスのご紹介

2009年 11月 4日

アメリカにいる時は主に英語でブログを書いています。研究に関連するポストは本サイトのBlogにありますが、マクロ経済の動向についてのポストは友達と一緒に書いているバルコニーボックス(The Balcony Box)にあります。ご関心のある方はどうぞご覧下さい。

公益資本主義の勉強会

2009年 10月 28日

資本主義をどのように再設計し、さらに発展をさせていくかについて考えるために、10月21日の18:30から東京財団で勉強会を開催しました。モデレーターは一橋大学の菅野寛教授でした。

参加者は予めホームページにコメントを投稿した上で、公益資本主義の発想について議論をしました。主なテーマとしては公開企業と非公開企業の違い、年金ファンドの影響、協力の条件などでした。参加者のコメントが刺激的で面白かったので、ご関心のある方はぜひご覧下さい

Where Am I?

You are currently browsing posts in Japanese.

An RSS feed is available for your pleasure.

Blogs of interest