Tag Archives: ゼロ・サム・ゲーム

株主至上主義の実害 シモンズ・ベッディングの事例

ニュー・ヨーク・タイムズの記事では、短期志向で強欲な株主がシモンズ・ベッディング(Simmons Bedding Company)を崩壊に導いた経緯が詳しく書いてあります。シモンズは133年の歴史を持っている長寿企業ですが、1991年から投資ファンドによる買収が7回も繰り返されました。買収するたびに借金を増やされて、株主に資金を吸い取られました。住宅不動産バーブルが崩壊した時、マットレスの需要が落ち込んで、財務基盤の弱っているシモンズが破産しました。リストラは既に従業員の25%を超えており、企業の将来が不確実です。債権者も巨額の損失を受けそうです。

しかし株主は最後までも企業の価値を吸い取り続けて、シモンズが破産したのにもかかわらず、結局儲かることが出来ました。最後にシモンズを買収したTHL社は、買収の際に3.27億ドルの資金を投資しました。しかしその後、シモンズ社に巨額な借金をさせて、そしてその借り入れた資金の大部分をTHL社への3.75億ドルの配当に使わせました。その上にTHL社はシモンズ社から0.28億ドルの管理費を吸い取りました。

週刊ダイヤモンドの特別寄稿(「公益資本主義の確立に向けて(下)」10月17日号)では投資家と従業員がゼロ・サム・ゲームに陥るリスクについて話をしていますが、シモンズはその明確な事例ではないでしょうか。